このはなアリーナ    近藤友一

昨日大相撲で「このはなアリーナ」のこけら落としが行われました。今まで「草薙体育館」と呼ばれていた体育館です。先週、建築関係者に体育館の完成見学会と設計者の内藤廣先生の設計説明会が行われました。

内藤先生のおっしゃることには、この体育館の設計は命がけであったと言われています。プロポーザルでこの案が選ばれたのですが、さて具体的にこの形の建物の構造をどのようにするかということに行きづまったということです。三次曲線に「木」を使うことがいかに難しかったことをおっしゃっていました。木を構造的に曲げの方向の力の作用することには使いたくない。同じ長さの木を使い単純化する。木に対する気の使い方を述べられています。東京大学を退官し、設計事務所として今後の人生を進めていく覚悟の中でこの体育館の設計は今までに無かった経験をしたとおっしゃっています。苦労の数だけこの体育館にかけた情熱がうかがわれます。

縄文時代の竪穴式住居のようです。

同じ長さの柱を観客席の上でリング状に斜めに屋根を支えるようにしています。この柱の傾斜が変わるので屋根のリングは三次曲線となっています。この柱は天竜杉を使用しています。柱材にならない材や端材は天井のルーバーやその他の仕上げ材に使用し、材料の杉を無駄なく使っています。この屋根を杉の柱が支えているのですが、それは鉛直の荷重を支え、その下に免震装置を入れコンクリートの柱が地震や風の水平力を支えています。大変な構造です。

木を使った体育館、静岡県は、木が豊富な県です。これからの公共建築物では多くの木材が使用されるようになると考えられます。当社も木材と古くから向き合ってきました。「木」の技術をさらに深め地域を先導する企業を目指します。大きな目標が出来ました。

近藤建設工業  近藤友一